黄金の国ベンガル02

 さて、前回に引き続きバングラデシュのシレット周辺のことを書きます。前回も書きましたが、シレットはダッカに比べるとずいぶんと落ち着いたところです。ダッカの人口は約2,000万とも言われますが、シレットは約800万人。あ、意外と多いですね。けれど、上の写真のように屋上で観賞植物を育てていたり、何か少しゆったりとしています。もちろん、低賃金での労働を強いられている人も多く、すべてが豊かではありません。とにかくこの国では貧富の差が非常にはげしいのです。日本に10年以上出稼ぎに来て、バングラに帰ってお金持ちになった人の家に行くと、彼は結構太っていました。太っているイコールお金持ち、というわかりやすい構図があり(彼だけかもしれないので全員そうだと言いませんが)、日本にいる時よりも露骨にお金のパワーを感じることが多いです。ここにいると、自分がいかに恵まれた環境で暮らしているかがよくわかります。偶然生まれた場所によって環境がまったく変わります、それは個人の能力なんかはるかに超えて運命として目の前に横たわります。「私が出来ることは何だろう」、時々お金をくださいと言いにくる小さなかわいい子どもたちを見ていると、日本人である自分にその問題が深くつきつけられます。
 上の写真はガソリンスタンドの脇のジャックフルーツの木と売店で売っているきゅうり、そしてほうきです。何故きゅうりとほうきという組み合わせなのか考えると深すぎて悩むところですが、ともかくきゅうりは水っぽくて赤い塩をふりかけて食べるとすごく美味です。こちらの野菜は結構日本と同じものも多いです。なす、きゅうり、にんじん、たまねぎ、じゃがいも、などなど。フルーツは南国だと感じるものも多いです。このジャックフルーツは今回は食べませんでしたが、おいしいらしいです。木の幹から突然大きな茶色の塊がぶら下がっているのですこし不気味です。今調べると、ベンガル語ではカタールという名前で呼ばれるそうですが、なんと世界最大の果実らしいです。たしかにすごく重そうでした。
 ここはインド国境に近いジャフロンの採石場です。写真がなくて申し訳ないですが、このあたりに近づくと無数のトラックと石の山をたくさん目にします。そして、とにかくほこりっぽいです。採石場に着くと、そこは観光地のようになっていました。人々はこの川から小さな船で石を拾い、それを大きさごとにしわけして山をつくり、ダンプカーに山盛りにつめてバングラ各地に輸送します。バングラのほとんどの建物がこの地域の石を使用しているとのこと。それにしても、なんという人力。もちろん一部機械も使っていますが、川から石を運ぶのも人力の小舟だし、そこからダンプに積むのも人力、ダンプの荷台は約3メートルはあろうかという高さで、日本の車のように荷台部分が持ち上がりません。なので、スコップで石を放り投げて石を積み込むのです。筋肉質の労働者たちが石を放り投げるときれいな放物線を描いて無駄なく荷台に収まっていきます。なぜが感動する光景です。もちろん積み降ろしも手作業。聞いてみると川から石を運んでくる人たちは、一艘分の石で約1,500TK(1TKは約1.3円)、それを買い付けたバイヤーが自分の土地へ移動し、仕分けて次のバイヤーへと転売し、最終的にトラック一杯約70,000TKというぐらいの値段で取引されるようです。インドから海に流れる川の河口なので、石は次から次に流れてきて資源が枯渇する心配はあまりないようです。川に沿ってしばらく行くと、目の前に大きな丸い石と山が見えてきます。その大きな石はインドのもの。そして、山々もすべてインドのものです。案内してくれたベンガル人の方は、「我々を独立させて、そのかわりと言って資源のある山をぜんぶ持って行かれた」とインドに対して結構否定的です。後に知りましたが、バングラデシュが国として独立する時、相当の困難があったようです。ですが、独立してからの政権は与党と野党で骨肉の争い。市民達は急速に跳ね上がる物価と、まったく進まないインフラ整備、なんの保証もない医療制度などなど我慢の限界にきています。「与党も野党もすべてさっぱりいなくなればこの国はもうすこし前に進む」そう言うベンガル人は多いと聞きました。

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