過ぎ去った時間をとり戻すことはできないという。
記憶はわたしの身の回りに霧散する。
わたしが生きたあの場所、あの香り、あの音に記憶が定着されている。
山道を歩きながら、ふとしたきっかけであの時がよみがえった。
記憶は感情の再生装置だ。
景色とともに、あの時の感情を追体験する。
わたしはほほえみながらあの時の自分を見つめなおした。
今のわたしがあの時に重なっていく。
感情は光のような性質を持っていると思う。
色のついた光を重ねると、どんどん透明に近づくのだ。
感情の色がなんども重なっていくうちに、記憶は透明な光に包まれていく。
過ぎ去った時間は取り戻せないのかもしれない。
わたしにできることは、記憶を見つめなおして透明な光にしていくこと。
今を重ねる毎日は、同時に昔を見つめなおす日々でもある。
透明な光の記憶。
過ぎ去った時間は取り戻せないのかもしれない。
しかし、記憶は変えられるのだ。
Takao
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