黄金の国ベンガル04

 さて、今日も色々と書いていきたいと思います。上の写真はシレットの近郊にある滝、マドブクンドの滝(ファンタジックな名前ですね)の手前にある少数民族の集落です。彼らはたしかモニプリ族(これも何かファンタジーっぽい)という名前でした。日本人に似た顔だちで、村のつくりも木造家屋、たぶん私たちとかなり近い遺伝子を持った人たちでしょう。すごく会いたかったのですが、突然ものすごい風と雨が降ってきて断念しました。轟々と猛烈に降る雨の中には、なんと氷がまじっています。久しぶりに降る雨には氷が混じることがあるそうです。しばらく雨が降り続き、止んだあとはすごくすずしい。もしやこの雨ははるかかなたヒマラヤから来たのでしょうか?
雨の後、普段はしいたげられている犬たちが興奮して鳴いていました。
さて、話を戻します。モニプリの人は独自の文化と言語を持っていますが、近代化する国の中で生きていくため、ちかごろはベンガル語を習って普通にビジネスをする人なども増えて来たそうです。ちなみに彼らの村からはベンガル人の嗜好品が採れるそうです。それは噛みタバコで、パンと呼ばれます。パンを食べたらみんな口が真っ赤。インドでもよく見かけましたが僕はまだ試したことがありません。
そうそう、ダッカに戻ってから、彼ら少数民族の手作りの布などを扱うお店に行き、素朴で素晴らしい作品を購入しました。ほぼ自給自足の彼らの生活から生まれる感性は、僕には感動の品々でした。
 次は、昨日の続き、いよいよ結婚式の当日のお話です。結婚式はなんと、結婚式場で行われます!普通ですね。。。
村の真ん中にあるこの結婚式場に、花嫁と花婿がそれぞれ実家から祈りをすませて来場します。僕が会場に着いたのが12時ころ、普通はこのくらいの時間には結婚式がはじまるのですが、いくら待っても花嫁も花婿も現れません。もういいかなと思いだした13時半すぎ、ようやく人々がざわつきはじめました。昨日と違って会場は薄暗く、いくつも並んだテーブルに関係者が大勢座っています。たぶん200名くらいはいたでしょうか。特になんの感慨もなく、花嫁がまたもやカメラクルーに追われながら入ってきました。そして、そのまま奥の部屋に消えて行ってしまいました。???その後、花婿も入場してきたっぽいのですが、ちょうどその時、食事が配られはじめたので、皆は待ちに待ったごちそうに夢中です。さすがに結婚式だけあって、サラダ、ご飯、鶏肉カレー、牛肉カレー、マトンカレー、そしてデザートまでついていました。僕もお腹がすいていたのでがつがつとご飯を食べ(こちらの人は右手だけでうまくご飯を食べます。もちろん僕も右手ご飯です)、隣に座っていた、ものすごくかわいい子どもとおじいさんとiphoneで遊んだりしていました。
子どものことはまた今度書きます。とにかくかわいいので何人か連れて帰ろうと本気で思います。
 さてさて、結婚式。花嫁はどこに消えたのですか?と聞くと、隣に女性の部屋があるよ。とのこと、あ、そうか、たしかにこの部屋には男しかいないではないですか!ということは向こうの部屋にも200名。昔は結婚式の次の日に、花嫁が夫の家にとついで行ったそうですが、今回の場合、彼が忙しいので当日に嫁入りするようでした。家に着いてはじめて二人は顔をきちんとあわせるそうです。
お腹もいっぱいになり、新婚二人を見てから帰ろうということになり、花婿のステージを撮ったのが上の写真です。カメラクルーの撮影は終わっており、かなり薄暗い中でみんなでご飯を食べていました。花婿はものすごく顔が濃くてハンサムでした。
花嫁は女性だけの部屋にいますし、男性でしかも大きな日本人の僕は入っていいのかな?けれど「ぜんぜん問題ないよ」とのことで花嫁の写真も撮りに行きました。女性部屋、といっても、女性がたくさんいる部屋ってだけで、男性も普通にいます、意外とおおらかでした。花嫁はちょうどカメラクルーに囲まれて撮影中でした。カメラクルーは明るい照明で照らし出すので、花嫁の周りだけ別世界のようです。彼女はこれから慣れないイギリスで暮らすのでしょう。異国の地へと向かう若い彼女の未来へ心の中でエールを送りました。

それにしても、世界に無数に存在する人々、それぞれの物語を覗くと同じ世界に住みながら、まったく異なる人生が同時進行で進んでいることにあらためて驚きます。
私たちは他の時代じゃなく、偶然この同じ世界に今、生きている。私たちは皆同級生です。生きて死ぬまでの短い時間、共にこの世界を共有する無数の人々の幸せを心から願います。

Takao

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